私が葬儀の業界に入ったころ、出棺の前に石打ちをしていました。
石打ちとは、お棺の蓋を閉めたあとで頭の方の端に釘を打ち付ける仕来りの事です。
その際、金槌ではなく石で釘を打ち付けるので釘打ちと言います。
ではなぜ石で打つのかというと、昔の棺は蓋を閉じる際には必ず釘で止めていて、もちろん金槌でですが、ある時金槌を忘れて仕方なく落ちていた石で釘を打ち付けた(諸説あり)のが由来のようです。
私も教わるがままに石打ちをお客様に促していましたが、現在のお棺では必要のないことですので、お客様に釘を打ちたいですかと尋ねるようにすると、ほとんどの方がやりたくないとおっしゃっていたので、それから徐々にしなくなっていきました。
時を同じくして、東京ではみかけなくなりました。
地方ではまだやっているところがあるかもしれませんが。